『日経研月報』特集より

日本経済の再出発に向けて「システム移行のためのデザイン」から考える

2022年7月号

依田 真美 (よだ まみ)

相模女子大学学芸学部、大学院社会起業研究科 教授

1. はじめに

コロナ禍が収束しつつある今、コロナの影響で減速した経済活動の立て直しに各国とも動き出している。日本でも、コロナで大きな打撃を受けた飲食業や観光業を筆頭に、事業の立て直しや再開準備に余念がない。
しかし、ポストコロナの再出発は、単に経済の回復を目指すだけでは十分ではない。コロナ禍で一段と鮮明となった格差の問題や、デジタル技術の活用やより柔軟な働き方という可能性にどう向き合うのか。加えて、今年に入ってからは、ロシアのウクライナ侵攻により、輸入依存度の高いエネルギーや食料供給の安定性が揺さぶられている。このような環境変化の只中にあって、コロナ前より指摘されてきた、持続可能な社会の実現や行き過ぎた資本主義の見直しなど、社会構造を根本から問い直す必要性が高まってる。
では、どのように根本的な課題に取り組んだらよいのだろうか。本稿では、そのヒントとして、2021年に英国デザインカウンシル(以下、デザインカウンシル)がデザイン政策の中心に据えた「システミックデザインアプローチ」、中でも根本的な変革の実現を強調した「システム移行のためのデザイン」を参考にしながら考えていきたい。

2. 「システミックデザイン」と「システム移行のためのデザイン」

システミックデザインとは、システム思考とデザイン思考を組み合わせた分析・発想方法である(注1)。2010年代に環境問題への関心が高まるに連れ、注目を集めるようになった。
ここでいうシステムとは、「何かを達成するように一貫性を持って組織されている、相互につながっている一連の構成要素」を指す(メドウズ 2015:32)。すなわち、システムは、目的・つながり(関係)・要素で構成される。森林や学校、都市、企業なども全てシステムである。システムには、「ある完全性や全体性」があり、「自己組織化が可能で、多くの場合、(少なくともある程度の)外部からのかく乱に対して自己修復」できる(メドウズ 2015:34)。システムでないものは、「特に相互のつながりや機能を持たない、何かの寄せ集め」である(メドウズ 2015:34)
システムの構造を分析し、最も効果が高いと考えられる介入ポイントに働きかけ、望ましい結果を生み出すための仕組みを、「探求・リフレーム・創造・触媒作用」といった発散と収束のプロセスを経ながらデザインするのが、システミックデザインだ。システム的視点をデザインプロセスに取り入れることで、複雑な環境問題や社会課題の解決に有効だと期待されている。
しかし、デザインカウンシルは、「単により広範なシステムや相互作用を意識した」だけの「システムを意識したデザイン(system-conscious design)」では十分でなく、「システムを移行するとの明確な目的を持ったデザイン(system-shifting design)」を探求することが重要だと主張している(Design Council 2021a)。後者の取組みを推進するために、最先端の活動を行う38人のデザイナーを集め、「システミックデザインの『次の実践(next practice)』が、どのように見えるのか」をまとめたのが『システム移行のためのデザイン:出現しつつある実践の探求』報告書である(Design Council 2021b)。

3. 「システム移行のためのデザイン」事例紹介

では、デザインカウンシルは、どのようなデザイン活動を「システム移行のためのデザイン」の萌芽的事例とみなしたのか。そのイメージを共有するため、調査の対象となった事例の一部を紹介する。

(1)パブリック・キッチン(米国ボストン市Design Studio for Social Intervention)

最初の事例は、米国ボストン市を拠点とするDesign Studio for Social Intervention(略称DS4SI)の「パブリック・キッチン」プロジェクトである(図1)。同プロジェクトは、存在しないインフラストラクチャーを想像し、それを住民に体験してもらうことを目的とした。対象としたのは、人びとの生活に欠かせない台所である。

現代の台所は、核家族を前提とした「プライベート・キッチン(私的な台所)」となっている。台所のレイアウトや、そこで使用する機器や器具、「ファミリーサイズ」の食品なども、「プライベート・キッチン」を前提としてデザインされている。DS4SIは、そのような前提が、食品ロスや孤独、消費財の過剰生産に結びついているのではないかと疑った。「もし台所が、図書館や学校や運動場のように、パブリックな場所であったら、社会生活はどのように再構築されるだろうか」という問いを立て、時限的にパブリックキッチンをインスタレーション(注2)として設営・運営し、近隣の人たちに体験してもらったのだ。
1週間の実験では、コミュニティガーデンで育てた野菜をお裾分けする人たちが現れたり、料理コンテストやレシピの交換会や食にまつわる社会課題の議論の機会が持たれた。こうしたさまざまな関わり方を通して、近隣から500名以上が参加した。その結果、「パブリック・キッチン」を必要としているのは貧困に苦しむ人だけではないということや、食を通じて新たな関係性を構築できることなどがわかった。また、社会運動家とデザイナーやアーティストが協力することで、理想の状態を目に見える形にし、見て感じる機会を創出できることが分かった。DS4SIでは、「パブリックキッチン」のような取組みを「プロポジショナル・ポリティクス(提案型政治)」と呼び、コミュニティ内の関係性を変化させるだけでなく、コミュニティと政府の関係性をも変えるものだと述べている。

(2)都市インフラの核としての樹木(英国等Dark Matter Labs)

次に紹介するのは、英国等を拠点とするDark Matter Labsが提唱する「インフラストラクチャーとしての樹木(Trees As Infrastructure; TAI)」だ。樹木は人類が存在する前から存在し、人類が消滅した後も存在するだろうが、現在の都市に存在する樹木は、経済合理性に則って最適化される対象となっている。管理する対象として樹木を捉えるのではなく、「樹木と積極的に協力するには、どうすればよいか」という問いの元に提案されたのが「インフラストラクチャーとしての樹木」である。
同提案は、都市部の樹木と人びとが共生する都市づくりの支援を目的とした、「生きている」緑のインフラを分散管理するモデルである。公園を過剰に「整頓」するのではなく、街路樹を育て、樹木がもたらす予防医学的効果を活用して近隣住民の生活をより快適にすることを狙う。提案には、①緑のインフラ維持に必要な資金プール、②都市の生態系をケアし維持する新しい方法の開発、③都市の植林目標を達成するための環境、健康、社会的影響の監視・評価制度で構成される「一連の制度的なパラダイムシフト」(2020 Dark Matter Labs)が含まれている(注3)。
また、Dark Matter Labsは、分散型の樹木の維持管理には、樹木と人間の関係についての社会文化的シフトが欠かせないと指摘し、オーストラリアのメルボルン市の「ツリーメール(Treemail)(注4)」を紹介している。メルボルン市は、Urban Forest Strategy(都市森林戦略)を進めるなかで、街路樹の不具合について市民が連絡できるように、市内の街路樹全てにメールアドレスを付与し、マップ化して、それを公開した。すると、不具合の連絡よりも、それぞれの樹木に対して市民がメッセージを寄せるようになったのだ。人びとが樹木に感謝をし、応援をし、話し相手となってもらうメッセージが数多く届いたのである(図2)。メルボルン市は、この自然発生的に生まれた樹木と人間の共生者としての関係が重要であると判断し、世界中から届く樹木へのメールを継続して受け付けている。また、樹木に代わって一部のメールに返信することも、職員の正式業務の一部となっている(O’Shea 2021)。

(3)都市生活を支える新しい「参加型インフラ」(英国Participatory City Foundation)

最後に紹介する事例は、イギリスのロンドン市東部で活動を展開するParticipatory City Foundationだ。代表であるテッシー・ブリトンとチームメンバーは、人びとが互いと、また、自然環境と調和しながら、いきいきと暮らす地域の実現について10年以上に渡り研究を続けてきた。その中で、「英国では地域活動に参加している人が3%である一方で、60%近くの人は自らが住む地区を改善するために協力したいと同意、または強く同意している(注5)」にも関わらず、それが実現できていないのは、現在の生活様式や仕組みに問題があるのではないかと考えた。
中でも、①現代の多くの社会システムが、人びとを「ニーズを持つ人びと」と「リソースを持つ人びと」に分類する二項対立的な認識に基づいて設計されていることと、②助成金などが小規模な団体へ分散して投資されていることが、根本的な課題なのではないかという仮説を立てた。そして、人をニーズとリソースの双方を持つ「全体的な存在」として認識すること、および、さまざまな活動や組織を含む「大規模ネットワークの共創を育む、単一のインフラストラクチャー(プラットフォーム)を保持し、できるだけ多くの人ができるだけ頻繁に集まり、友情を育み、ソーシャル・キャピタルを構築するための包括的な方法」(Britton2021)を実証実験することとした。
2017年に始まった、この社会実験の場が、バーキング・アンド・ダゲナム特別区である。同地区は、従来より移民や労働者階級の世帯が多い地区で、人口の流出入も多く、雇用や所得、健康、教育などさまざまな分野で課題を抱えている。
社会実験は、誰もが参加しやすいように“Every One. Every Day.”と分かりやすくブランディングされ、日常生活を形作る実践的なプロジェクトを、住民が始め、参加し、その過程で友情と信頼を築くことができる基本的な構造を提供している(図3)。具体的には、誰もが、食事会や、コミュニティガーデン、各種の取引、製造、修理など、さまざまな取組みができるように、店舗やメーカースペース、保険や会計サービス、プロジェクトデザイン支援の提供をしている。その結果、これまでに6,000人以上の住民が、150以上のプロジェクトを共創した。

この結果を受け、チームは更に“Universal Basic Everything”という衣食住に関わる有形無形のシステムを共創する循環型経済構築プロジェクトに取り組んでいる(図4)。また、これまでの知見を他所で展開できるように教育活動も始めている。2021年にはカナダでも“Participatory Canada”プロジェクトが始まった。

4. 「システムを移行させるデザイン」の鍵とは?

さて、「システムを移行させるデザイン」の分析対象となった3つの事例を紹介したが、どのような感想を持っただろうか。近隣コミュニティの再生や樹木管理など、身近なテーマが多いことで拍子抜けしたかもしれない。総合的な分析については報告書に譲るとして、以下では、これらの事例の共通点から、根本的なシステム移行に特に重要だと考えられる2つのポイントを整理したい。

(1)メンタル・モデルに働きかける

3つの事例の共通項で最も重要だと考えられるのは、意識・無意識レベルの前提に働きかけようとしていることである。パブリック・キッチンであれば、「台所は私的なもの」という前提に、インフラとしての樹木であれば、「管理する対象としての樹木」という前提に、そして、参加型インフラであれば、「ニーズのある人とリソースを持つ人という二項対立」や「個別支援の有効性」についての前提である。それを、各プロジェクトでは、それぞれ「公的な台所」「共生するものとしての樹木」「ニーズもリソースも持つ全体的な人」「ソーシャルキャピタルを生み出す単一のプラットフォームの有効性」へと大胆に変化させ、必要な仕組みや空間・物をデザインした。
システム思考では、この意識・無意識レベルの前提を「メンタル・モデル」と呼ぶ。システム思考の基本的な考え方のひとつを示す「氷山モデル」(図5)では、システムの全体像を四層に見立てている。第一は、表面に現れている「できごと」、第二は、できごとの起こる中長期的な傾向である「行動パターン」、第三は、パターンを生み出す「構造」、そして更にその構造の前提となっているのが「メンタル・モデル(意識・無意識の前提)」だ。メンタル・モデルはシステムの成り立ちの最も深いところにあるため、ここに働きかけることで、状況への適応ではなく、より根源的な変化を実現することができる。新たな世界観で世の中を見つめ直すと言ってもいいだろう。システム移行のためのデザインでは、深いレベルでの変革の意図を持ったデザインが奨励されている。

(2)関係性を重視する

次に重要な点は、個別の対象に働きかけるのではなく、関係性を創出、または、再構築することを重視している点である。パブリック・キッチンでは、「各世帯の閉じた台所」ではなく、「さまざまな関係性を生み出す公的な台所」へ、インフラとしての樹木であれば、「管理する-される」の関係から「共生する」関係へ、参加型インフラであれば、「ニーズのある人とリソースを持つ人という二項対立」や「個別支援」から、「誰もが与え受け取る者」として参加する「相互依存/支援関係やソーシャルキャピタルを育むプラットフォーム」へと再構築している。
先述の通り、システムは、目的・つながり(関係)・要素で構成され、このどれもがシステムの挙動を決める重要な要因である。その中で、システムを構成する要素は認識しやすく注目を得やすい一方で、情報の流れが主体(注6)のつながり(関係)は見えにくいことが多い。しかし、システムの変化という点では、「つながりが変わると、システムは大きく変わる」が、「要素は、システムの独自の特性を決めるうえでは、最も重要ではない場合が多い」(メドウズ2015:41-42)。もちろんシステムの目的を変えることは、システムを根底から変えるが、それ以外では、生物・無生物を含めた関係性のデザインが大きな鍵を握るのである。

5. 日本経済の再出発に向けたデザインへの示唆

さて、日本経済の再出発をデザインするにあたり、私たちは「システム移行のためのデザイン」から、どのような問いを受け止めるのか。

(1)新たな視点で世界を見る

ひとつには、再出発にあたって、どこまで深いレベルからデザインするのか、という問いだろう。過去の延長線上ではなく、新しい視点で世界を捉え直すチャレンジをするかである。
日本社会が抱える閉塞感を打ち破るために、小さな風穴をあちこちで開けていく必要がある。しかし、自分たちが知らない間に身に纏っている「メンタル・モデル」は、それが当たり前になってしまっていることから、特別なきっかけがない限り気付くことが難しい。深い気付きのためには、自分とは異なる背景を持つ他者との対話を重ねることや、「もし~なら」と柔らかな発想を持つ訓練が必要となる。他の文化や自然界のシステムとの比較もヒントになるだろう(注7)。アートやスペキュラティブ・デザイン(注8)の力を活用するのも一案だろう。

(2)つながりの(再)構築

次は、つながりの(再)構築の必要がないか、という問いがあろう。持続可能な社会の実現を目標とするのであれば、さまざまな資源とのつながりを「循環」の視点から捉えることも一層重要となろう。
更に、Participatory Cityの事例で触れたように、今日の多くの活動は「与える者-受け取る者」「生産者-消費者」などの二項対立的な認識を基盤としている。そうではなく、一人ひとりの持つ多面性を認識し、つながり方を変化させることは、人びとの自律性を高め、多様な能力の活用も促進するだろう。また、誰もが参加し活躍できる社会のデザインは、新たな知の創出に加え、孤独問題の解決にもつながると考えられる。

(3)新たな「学び」や「アンラーン」の必要性

では、根本的な変化に取り組むには、どこから働きかけたらよいのだろうか。一つだけ取り上げるとしたら、それは「学び」だろう。学校教育に限らず家庭や職場においても、システム思考やデザイン思考が重視している「観察する力」や「システムとしての理解」や「柔軟に発想する力」を養うことが重要だ。また、長い期間、一定の組織や環境で過ごした大人たちは、知らない間に身につけたメンタル・モデルから自由になる「アンラーン(学びほぐし)」も重要だ。
こうした学びを実現させるためには、指導する立場にある教師や親、企業の役職者も含め、成人が謙虚な気持ちで学び続けることができる仕組みや文化が必要だ。また、学校教育では、幼い時から「考え抜く」訓練により多くの時間を使うことが必要だろう。
経済システムを含む社会のデザインは、人の意図から生まれる。だからこそ、人の「学び(ほぐし)」への投資は、根本的な変化の最も大きな源となる可能性がある。一方で、学びの成果が出るには時間が掛かる。一日も早く、あらゆる世代が学び直し(学びほぐし)、学び続けるための環境を整えることが必要だ。

6. 終わりに

本稿では、「システム移行のためのデザイン」の具体例から、日本経済の再出発に向けたデザインのヒントを探ってきた。その結果、システムの深いところから根本的な変化を起こすためには、メンタル・モデルへの働きかけやつながりのデザインが鍵であることが分かった。また、その促進には学びが重要であることを述べた。
本稿の限界としては、変革のための最も重要だと思われる点に絞ったため、それ以外の「システミック・デザイン」の特徴については検討できなかったことがある。その点については、今後の課題としたい。また、今回は国内事例を紹介できなかったが、今後は、国内での萌芽的事例を調査する予定である。

謝 辞

本稿で取り上げたシステミックデザインアプローチについては、紫牟田伸子氏(編集家)、水内智英氏(名古屋芸術大学准教授)、角めぐみ氏(東京工業大学博士後期課程)と取り組むDesignRethinkersとして研究活動を重ねている。日頃の活発な議論に感謝したい。

参考文献

チェンジ・エージェント(2022)「システム思考というアプローチ」https://www.change-agent.jp/systemsthinking/approach.html(閲覧日2022年5月15日)
メドウズ、ドネラ(2015)『世界はシステムで動く』英治出版
Britton, Tessy (2020) “Universal Basic Everything” https://tessybritton.medium.com/universal-basic-everything-f149afc4cef1 (downloaded on May 20, 2022)
Britton, Tessy (2021) “Inviting, welcoming and including everyone.” https://tessybritton.medium.com/inviting-welcoming-and-including-everyone-1bb20df25924(downloaded on May 20, 2022)
Dark Matter Labs 2020 “Tree As Infrastructure” https://provocations.darkmatterlabs.org/trees-as-infrastructure-aa141acdf227(downloaded on May 16, 2022)
Design Counsil 2021a “System-shifting design: An emerging practice explored.”https://www.designcouncil.org.uk/our-work/skills-learning/resources/download-our-systems-shifting-design-report-1/(downloaded May 10, 2022)
Design Council 2021b“New report challenges designers to experiment with new approaches in systemic design”
https://www.designcouncil.org.uk/news-opinion/new-report-challenges-designers-experiment-new-approaches-systemic-design(downloaded on May 16, 2022)
Design Studio for Social Intervention (2012) “Nourish Yourself@Public Kitchen Party on Sunday” https://www.ds4si.org/blog/2012/10/19/nourish-yourself-public-kitchen-party-on-sunday.html(downloaded on May 25, 2022)
O’Shea, Julian (2021) “The 72,000 Trees You Can Email (And How They Respond)”Unknown Melbourne https://www.youtube.com/watch?v=r4BtdFgVGjc(downloaded May 16, 2022)

(注1)「システミックデザインアプローチ」の詳細や、システム思考とデザイン思考の概要については、一般財団法人日本経済研究所『日経研月報』2022年3月号 で紹介している。
(注2)インスタレーション(installation)とは、「設置」や「取り付け」を意味するが、現代美術の領域では、「作品を、展示する環境をも取り込んで、総体を芸術的空間として提示すること。また、その空間。」(『精選版日本国語大辞典』による)を指す。
(注3)内容の詳細については、以下のリンクを参照のこと。Dark Matter Labs(2020), “Tree As Infrastructure”
https://provocations.darkmatterlabs.org/trees-as-infrastructure-aa141acdf227
(注4)メルボルン市の樹木に関する情報は、以下のリンクで公開されている。マップに掲載された樹木をクリックすると、メールを送信することができる。“City of Melbourne, Urban Forest Visual”
http://melbourneurbanforestvisual.com.au/#mapexplore
(注5)エセックス大学の社会経済研究センターが実施した2015年“Understanding Society Survey”による。
(注6)それ以外に、実際の物理的な流れもある。
(注7)『システム移行のためのデザイン』では、資本主義の影響が少なく、自然との共生を前提に暮らしている先住民族の文化から学ぼうという姿勢も強い。
(注8)スペキュラティブ・デザインとは、アンソニー・ダンが提唱した問題提起型のデザイン活動である。未来のシナリオを大胆に可視化することで、思考を促進する。詳しくは、『スペキュラティヴ・デザイン:問題解決から、問題提起へ』(ダン等 2015)を参照のこと。

著者プロフィール

依田 真美 (よだ まみ)

相模女子大学学芸学部、大学院社会起業研究科 教授

クレディ・スイスにて証券アナリスト、スタンダード&プアーズにて事業会社・公的部門格付部部長、証券化本部長として、日本・韓国・中国の事業会社や自治体、公的機関やプロジェクトの分析に携わる。その後、地域および組織活性化コンサルタントとして独立。2022年より現職。マサチューセッツ工科大学修士(経営学)、北海道大学 博士(観光学)。