編集後記 2023年3月号

2023年3月号

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)

弊誌では弊財団主催東京講演会の講演録を「今月の特別記事」として毎号掲載していますが、今号の特集「サーキュラーエコノミー」についても、昨年11月の講演内容が決まったと同時にこのテーマの特集化が企画されました。同講演会は専門用語が多く飛び交うクロストークが中心でしたが、この度の講演録の書き起こしにあたり、ご登壇者の金井様、白鳥様、竹ケ原様に充分な加筆をいただいたことで、より理解しやすい内容に仕上がっていることと思います。
巻頭言には、サーキュラーエコノミー(CE)研究の第一人者であり、CE の重要性を「循環プロバイダー」という言葉でも提唱されている東京大学大学院教授の梅田先生にご執筆いただきました。
さらに、CE で日本の先を行くヨーロッパでの実例をもとに日本のCE を考察する記事を2本掲載しています。ドイツ在住ジャーナリストの松田様と、著書『サーキュラーエコノミー実践:オランダに探るビジネスモデル』の著者である安居様の記事です。松田様からは弊誌に20年近くコラムをご提供いただいており、近年では2ヶ月に一度、ドイツからさまざまな内容のコラムをお寄せいただいておりますが、この度はCE をテーマにご寄稿いただきました。安居様の記事は、編集側によるインタビュー形式です。安居様もご多忙を極めており、オランダに行かれる直前の1時間ほどを我々のインタビューに充ててくださいました。メディアに登場する機会が多いなかで、ほかではあまり話していない内容を敢えて選んでお話しいただけましたので、貴重な内容になっているかと思います。安居様は40歳手前の若手社会起業家ですが、とても物腰柔らかで、一つひとつの言葉を丁寧に選びながら熱意を伝える姿は大変印象的でした。
また、今号から「特別研究」の新連載(「高まる地政学的リスクと日本経済」)として第1回目の掲載を開始しています。東京大学大学院教授の福田先生を座長に迎えた計8名の先生方による研究会の成果として、第9回のシリーズでお届けします。連載後はこれまで同様に書籍化も予定しておりますので、ぜひご期待ください。
これからも賛助会員の皆様へのサービス向上を目指して誌面を充実させていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

著者プロフィール

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)