編集後記 2026年2-3月号(特集「人生100年時代を幸せに生きる」)
2026年2-3月号
大寒の冷え込みが続くこの季節。年の始まりと春の気配を前に、今の仕事について少し立ち止まって考えてしまいます。編集に長年携わるなかで、締切を追いかけるだけでは終わらない仕事が増え、企画の行方やその後の反響まで考えを巡らせることが多くなりました。そうした背景もあってか、働き方や生き方の先行きも話題に上る機会が自然と増えているように感じます。
これまでも弊誌では、ウェルビーイングや健康経営といったテーマを通じて、企業や働く人を取り巻く環境を考えてきましたが、今回の「人生100年時代を幸せに生きる」特集では、よりパーソナルな視点から、一人ひとりの人生にも目を向けてみました。
特集では、幸福の形を科学的に探る「幸せのU字型曲線」を皮切りに、「スペインの食文化」に根付く幸せの視点、金融教育を通じた「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の提案、そして「ドイツの葬送文化」を通じた埋葬における新たな価値観を紹介しています。また、ISO の枠組みを活用した「ウェルビーイングを実現するコミュニティづくり」や、社会的共通資本にも通じる「地域医療」、「介護テクノロジー」との未来といった、社会全体で幸せを支える仕組みについても触れています。さらに、長寿社会における「長生きの価値」を経済学的視点から問い直した論説や、「古墳探し」というユニークな視点から歴史や文化を通じて幸せを感じるコラムも紹介しています。
令和8年は、昭和に置き換えれば101年という節目の年。そう考えると、時間のスケールが少し伸び縮みする気がします。過去と未来のあいだでふと、足元を見直すような感覚でしょうか。読み終えたあとすぐに何かを変えなくても、少し立ち止まって考えるひとときが、この特集を通じて生まれたなら幸いです。
コラム