編集後記 2025年10-11月号
2025年10-11月号
「〇〇の秋」到来!……皆さんは何を思い浮かべますか?食欲や実り、読書、芸術等のお答えが多いと思いますが、「運動会!」という方もいるのではないでしょうか。私はリレー競技を思い出します。スタート前の静寂、全力疾走、アップテンポなBGM、バトンリレー、みんなの声援、まさに青春の1ページですね。申し遅れましたが、今でも駅伝のタスキリレーを見るのが大好きな新編集長の塙です。
今回の特集は「Sports for Everyone!」、SfE!、みんなのスポーツです。今回はスタンフォード大学フォスター教授によるスポーツ産業の未来展望、長野市・宮崎県・金沢CSC 及びIG アリーナでの地域活性化の取組み、さらにはバレーボールやサッカーを通じた地域創生の挑戦など、多角的な視点からスポーツの力を探っています。改めてスポーツには選手・観客・支援者など多くの人が集まるフィールドが必要で、その場は身近な地域にあるのだと感じていただけるのではないでしょうか。
とはいえ、SfE !は言うほど簡単ではないと思います。かつてはスポ根・体育会・体罰等、耐える・鍛える文化が色濃かったので、その名残からスポーツの空気感が苦手で、できれば関わりたくないという人も一定程度いるはずです。
そんな時には(2024年1月に発生した能登の震災で惜しくもこの世を去ってしまった)故・桂田隆行さんの巻き込み力を思い出します。彼は株式会社日本政策投資銀行に所属し、スタジアムやアリーナを核としたまちづくりを目指す「スマート・ベニュー®」を推進したスポーツ界の第一人者ですが、風貌はアスリートとは程遠く「私がスポーツを語るのは似合わないですよね~」と笑いながらよく言ってました。でも彼はそのほんわかとした雰囲気で、いつの間にか人の輪に入り込み、さらに多くの人を巻き込み、各地でスポーツを通じた地域活性化プロジェクトに関与していました。弊誌スポーツ特集はそんな彼の魅力に惹きつけられた方々と共にはじめたもので、3度目になります。今回も彼とご縁のあった皆様からあたたかいメッセージを沢山お寄せいただきました。編集担当として彼の一友人として心より感謝申し上げます。貴君の思いは多くの人に受け継がれていますよ、桂田さん!